TOP > メッセージ・研修奮戦記 > メッセージ
メッセージ・研修奮戦記
医学生へのメッセージ 研修奮闘記
診療所研修はどうでした?


 60〜70人の在宅患者さんの主治医として、週4単位往診して、末期には夜も呼ばれたりするわけです。在宅での看取りが月1回くらいありました。
 月1〜2回、所長と在宅スタッフ、訪問看護ステーションの看護師などを含めたカンファレンスがあって、医学的な検討もしますが、むしろ、奥さんはどんな気持ちでいるかとか、他の家族はどうかとか、ぼくらはどんなサポートをしたらいいか、といったディスカッションがとても勉強になりましたね。「患者の立場に立つ」、「身体的だけでなく、心理的社会的に患者をとらえる」などと、よく言いますが、ぼくの言い方では「あの家で、こんなことで困っているから、地域の一員として、僕ができることをお手伝いする」という感じですかね。

 病院にいた時は、この患者さんが退院してからどうなるのか、帰ってから何が必要で、どんな社会資源が活用できるか・・・といったことはなかなかイメージできなかったんですが、今は入院中の患者さんを受け持つ時には常に意識するようになりました。

民医連との出会いってなんでした?


 学生の時、友達に誘われて健和会病院の喘息児サマーキャンプのボランティアに行ったんですよ。その時の印象は「医者も看護師さんも親切だな」というくらいだったんですが。民医連は医療だけ提供して終わりではなく、患者さんや家族の方が必要とすることについて、いろんな制度を利用したり、制度が悪い時は改善する運動をしたりしますね。もちろんすぐに改善されるわけではないですけど、そういう方向を目指していくことが、本当の意味で人間を大切にすることではないかと思うんです。

Profile

中山一孝医師
中山 一孝医師 なかやま かずたか
1999年信州大学卒
長野中央病院・健和会病院・上田生協診療所・順天堂大学で研修後、現在は長野中央病院内科医。趣 味は音楽・読書・映画。研修1年目は病院にずっといることで有名でしたが、「でも『少林サッカー』は4回、『猫の恩返し』は3回観ました」(本人談)