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メッセージ・研修奮戦記
医学生へのメッセージ 研修奮闘記
研修先を決めるにあたってどんなことを考えましたか?
 私は学生時代はずっとバドミントン部に所属して部活ばかりやっていたんです。6年生なった時、自分が医者になって何をしたいのか、何に向いているのか、実は全然わかってない事に気が付いて、愕然としちゃったんです。研修先についても、やっぱり大学の方がいいんじゃないかって悩みました。「大学の方が、やりたいことが見つかるんじゃないか」とか、「友達もいるし、何となく安心じゃないか」とか。民医連についてはある程度知ってはいたのですが、「高い志を持った人たちの中に入っていって、私なんかやっていけるのか」という不安もありましたね。実際に入ってみると、まったく無用の心配だったことがわかりましたけど(笑)
結局民医連に決めた理由は?
 ひとつには、中規模の病院でやりたかったからです。大病院では、各科の壁が厚くて、コンサルトして返事をもらったりしても本当に十分な連携がとれないんじゃないかという気がしました。二つ目には、社会を見たいと思ったんですね。私の大学は、私立だったこともあって、患者さんも経済的にはある程度恵まれた人が多かったんですけど、病気になる人は、もっと生活に困っている人も多いはずで、近所のおばあちゃんとか、そういったごく普通の患者さんが、気軽にかかるところでやりたいと思いました。それから、せっかく医師になるのなら、必要とされているところへ行って役に立ちたいとも思いました。
実際に研修が始まって、どうでしたか?


 ここでは、初めの2ヶ月半(現在は3ヶ月)「導入期研修」というのがあって、3年目の「シニアレジデント」の先生がDuty-Freeになって、私たち1年目にずっとついていてくれて安心でしたし、基本的な手技や診察方法をじっくり時間をかけて学べました。医師として、社会人としての第一歩を無理なくスタートすることができたと思います。その後、消化器、循環器・・・という風にローテートしているわけですが、死に直面した患者さんの心がわからなかったりして、自分の未熟さを痛感する事も多いです。でも、そんな時でも、指導医の先生が、これから進んでいく方向を示して教えてくれて勉強になっています。
実際に研修が始まって、どうでしたか?
 たとえ研修医であっても、様々なことをさせてもらえるので、自分の受け持ちの患者さんに対して、自分が何かしてあげることができるんだ、と実感できます。これは、たとえ小さなことであっても、自信につながりますね。また、指導医が目を届かせてくれるので安心してやれます。それから、うちの病院の医局は、様々な科のドクターが一緒にいてみんな仲がいいので、気軽に質問できるし、いろいろな会話があちこちで飛び交っていて、とにかく雰囲気が良くて楽しい職場ですね。耳学問って言葉がありますが、上の先生達の会話の中から学ぶことも多いです。

 あとこれは、学生の頃にここで実習させてもらった時から感じていたことですが、うちの先生達は、いつも病気を選ばす、患者さんを選ばす、笑顔で診察しているんですよ。そういう姿を見ているとほんとうに心が洗われるし、すごいなあって思います。そんな尊敬する先輩方に少しでも近づけたらと思って、毎日がんばっているところですが、まだまだ先は長そうです。(笑)

 というわけで、地域に根ざしたプライマリ・ケアがやりたい、しっかりとした研修がしたい、と思ったら、これ以上の研修先はないんじゃないかと思っています。気軽に病院を見に来てください。

Profile

松村真生子医師
松村 真生子 まつむら まきこ
2002年北里大学卒 
長野中央病院で初期研修、塩尻協立病院、上田生協診療所で研修後、長野中央病院で後期研修。現在、長野中央病院消化器内科。